「世俗的な欲を捨てる」という生き方、・・・この生き方は、はたして難しい生き方でしょうか。
欲を捨てると、たくさんの大切なものが手に入ります。人は、通常、欲のために生きます。しかし、欲のために生きると、最終的には、その欲が、身を滅ぼします。
「美しく生きる」という生き方は、一体どのような生き方でしょうか。美しく生きたいと切望して生きる人のほとんどすべては、「自分自身が美しくなりたい」という自己顕示欲から、そのように考えます。
美しく生きるとは、決して、「自分が、自分自身のために美しくなる」ということではありません。美しく生きるというその様相・有様は、自分のためにあるのではなく、「他者を幸福にする」ために存在するものです。
世俗的な欲は、最終的には、身を滅ぼします。人は通常、自分が滅んだ後に、このことに気づきます。
賢者は、自分が負の方向(マイナスの方向)に進む前に、「美しく生きる」に内在する本質に気づきます。愚か者は、相当、負の方向に進んだ後に、「膨大なる時間を無意味に無駄にしてしまった」という自分の愚かさに気づきます。