世界レヴェルへの道 学問

"Know thyself."(汝自身を知れ。)

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"Know thyself."とは、「汝(なんじ)自身を知れ」という意味を成す古い諺。西洋の教養人に於いては、特に、古代ギリシアのソクラテス哲学の考え方を引用する際に用いられる諺です。

thyselfは代名詞であり、意味は「汝自身を、己を」です。西洋では、崇高なる道徳観念を備えた教養人が、「自分の目の前にいる相手の幸福・利益」のために、"Know thyself."と述べることがあります。

現実問題として、他人に"Know thyself."と口に出す行為には、「相手の感情を害する」というリスクを伴います。しかし、博愛主義・人類愛主義(philanthrophy)を基本精神として生きている教養人は、自分がネガティブに思われるという危険性を背負って、相手の幸福のためにこの諺を明言することがあります。

恐らく、日本人同士に於ける日本語の相互コミュニケーションでは、「感情・感覚で生きている人」、「相手から認められていることを大前提として相互コミュニケーションを図る人」にとっては、このような助言について素直に聞くことは難しいでしょう。一方、ギリシア語・イタリア語・英語等の相互コミュニケーションに於いては、日本人が想像する以上に、この諺が頻繁に使われます。

日本では、古代から、「他者と調和を図りなさい」という考え方が伝統的に重んじられてきました。一方、西洋文明社会では、人々は、このような日常的感覚で、目の前にいる相手の幸せのために、(1)「汝自身を知れ」、(2)「自分の能力・置かれた状況を知りなさい」と述べることがあります。

深い意味で言うならば、場所が西洋でも東洋でも、「他人の幸福・利益のために、あえてリスクを背負って真実を伝えてくれる」という行為には、先に述べた博愛主義・人類愛主義の精神が内在しています。

「勝手な思い込みではなく、自分に於ける真実を知る」、・・・ここから、自分に於ける真の学び、そして、真の改善・向上・発展がスタートします。

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